2025年、実写映画の興行収入ランキングでトップを独走する作品がある――それが吉沢亮主演の『国宝』です。
公開からわずか数カ月で観客動員629万人、興行収入は88億円を突破。
歌舞伎の世界と現代演劇を舞台に、二人の役者の人生を描いた原作小説の映像化は、多くの映画ファンと文化愛好家の心をつかんで離しません。
8月10日に大阪で行われた特大ヒット記念舞台あいさつでは、吉沢亮が女形として演じた「鷺娘」への想いや、歌舞伎と俳優業の違いについて語り、その言葉がネットを駆け巡りました。
本記事では、映画『国宝』がここまで愛される理由と、吉沢亮の言葉から見える舞台裏を紐解いていきます。
【国宝】吉沢亮主演の映画『国宝』とは？
『国宝』は、直木賞作家・吉田修一氏による同名小説を原作にした大作映画。
物語は、戦後から平成、令和へと続く時代を背景に、歌舞伎役者・喜久雄と現代劇俳優・大伴の友情とライバル関係が描かれています。
文化の継承、芸の探求、そして人間の業や愛情が繊細に織り込まれ、観客に“本物の芸術”とは何かを問いかける内容です。
本作の中でも注目を集めたのが、吉沢亮が演じる喜久雄の女形「鷺娘」の場面。
白無垢に雪の中の鷺を思わせる所作、美しい視線の動き――それらは映画館のスクリーンを通しても圧倒的な存在感を放ち、SNS上では「一瞬で時代を超えた」「美の極み」と絶賛が相次ぎました。
【国宝】吉沢亮が語る「鷺娘」への想い
大阪・TOHOシネマズ梅田で行われた舞台あいさつで、吉沢は「鷺娘」についてこう語った。
「これまでにないくらいの集中力で挑みました。一番気持ちよく演じられた瞬間でもあります」
「鷺娘」は、雪の中で恋を失った女性の霊が舞うという歌舞伎舞踊の演目。衣装の重さ、息遣い、視線の流れ――すべてを緻密に計算しながら、感情を抑えつつも観客に届く演技が求められる。
吉沢は撮影前に実際の歌舞伎役者から動きや所作を学び、その稽古を繰り返したという。
特に手首や指先の動きには神経を研ぎ澄ませ、「一挙手一投足に意味を込める」という舞台芸の奥深さに触れたと明かした。
【国宝】吉沢亮｜歌舞伎役者と俳優の違い
トーク中、司会者から「歌舞伎役者と俳優、どちらが大変か？」と問われた吉沢は、迷わず「歌舞伎役者さん」と答えた。
その理由については、
「歌舞伎は何百年も続く型や答えがある世界。それを守りながら自分の個性を出す難しさがある」
と語り、会場から大きな拍手が起きた。
この発言はX（旧Twitter）でも話題になり、「本物を学んだ人の言葉」「リスペクトが伝わる」と称賛の声が広がった。
単なる役作りにとどまらず、文化や歴史に対する敬意を持って演じる姿勢こそが、吉沢亮の魅力だと言える。
【国宝】吉沢亮｜興行大ヒットの理由
『国宝』がここまでヒットした背景には、いくつかの要因がある。
- 原作ファン層の厚さ
文学賞受賞作という信頼性と、長年愛されるストーリーが幅広い世代に支持された。 - 映像美の追求
衣装、照明、美術セットに至るまで本物志向を徹底し、日本文化の美を世界に誇れるレベルで再現。 - キャストの熱量
吉沢亮をはじめ、共演陣の演技が圧巻。特に舞台パートのリアリティは「まるで劇場にいるよう」と評される。
加えて、SNSでの口コミ効果も大きかった。公開直後から「泣いた」「美しすぎて息が止まる」といった感想が拡散され、口コミが若い層にも届いたことで、リピーターが急増した。
【国宝】吉沢亮｜ネットで盛り上がる“国宝現象”
公開から数カ月たった今でも、XやInstagramでは「#国宝ロス」「#鷺娘の瞳」などのハッシュタグが飛び交っている。
特に『鷺娘』のワンシーンを模写したファンアートや、吉沢の所作を真似た動画投稿が相次ぎ、二次創作的な盛り上がりも続いている。
映画館によっては、衣装展示や特別メイキング映像の上映を行うところもあり、作品世界を体験できるイベントがリピーター需要をさらに後押ししている。
【国宝】吉沢亮｜まとめ
『国宝』は単なるヒット作ではなく、日本文化の美しさと奥深さをスクリーンに焼き付けた“映像の国宝”とも言える存在だ。
吉沢亮が全身全霊で挑んだ「鷺娘」の演技は、その象徴であり、観客に強烈な印象を残した。
興行収入88億円を突破してもなお、勢いが衰える気配はないこの作品は、間違いなく2025年を代表する映画として記憶されるはずです。